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眠剤いろいろレビュー ないし雑感

はじめに

睡眠薬を常用するようになって早くも5年。もう、それ無しで眠ることはできない。

これくらい長いこと色々飲んでいると、素人なりにも知見が溜まってきたと思うのでまとめる。


きっかけ

初めて飲んだのは、何を隠そう幻覚剤の「落とし」として飲んだエスゾピクロンという睡眠薬だ。ここから色々と服用してみて、最終的に抜け出せなくなって今に至る。

当時、ネットである幻覚剤を購入して服用したのだ。違法だったのかどうかは知らない。ただ興味があったから試しただけだったのだが、販売者が「もしもBADに入った時の緊急対策用」として推奨していたので一応買っておいたのだ。

そもそも、睡眠薬などなくても問題なく寝付ける体質だったし睡眠薬=あぶなめの処方薬という認識だったから、ODをしようとして購入したのがきっかけだとか、そういうわけではない。

そのエスゾピクロンは、結局、当初の予定通り「落とし」として機能したのだが、その後に残ったのは「いや、落としって何なんだよ。」という感想だった。そして「エスゾピクロン」って名称をネットで検索して、それが眠剤だったということを知ったのだ。

その後は、いつでも眠れるのは便利だからという理由で常用するようになっていった。


先にまとめ

最初は、無くても一応眠れるし、依存性もそんなに無いからと思って服用していたが、もう、ごっつ依存して、今では無しでは眠れない。(何度か試した)

あと、大抵理性が限りなく薄れて大失敗&健忘することが頻発して今では辞めたいと思っている。もうそれについて、何度も自己肯定・自己否定し続けてきたが、ひとつ言えるのは医師の処方以外では絶対飲まない方が良いってことだ。でも、飲みたいなら勝手にすればいい。


各種睡眠薬の感想

エスゾピクロン

少し前の世代には第一線級で使用されていた睡眠薬のイメージ。ベンゾジアゼピンっていう一時期流行して依存症やらで社会現象になってた眠剤の、リスクと効果を大幅減した物質で、主にルネスタっていう商品名だった。今はジェネリックが流通している。

依存症は無い(ないわけでは無い)とされているので処方のハードルが低く、医者にくださいって言えばあんまり渋られることもなく処方されていた。まあ実際、かなり穏やかな効き方で発狂することも少なく、耐性も形成しづらい。(する)なのでリスクは比較的控えめというイメージだ。

あと薬価も睡眠薬の中では低い方だと思う。


ザレプロン

パッケージが毒々しい。超てんちゃんがよく食ってるやつもたぶんこれ。日本では未認可だと思う。

ベンゾ及びエスゾピクロンと同じGABA受容体に作用するやつだからそんなに差はないという印象だけど、あくまでベンゾっぽい効き方をするエスゾピクロンに比べて、ラリ度合いが高く、筋弛緩的な雰囲気は少なめ。飲んでて楽しいのはこっちだけど、弛緩がないということはリラックス度合いが劣るので、ベンゾには一歩劣る。

これもだいぶ薬価が低い。あと特に商品名ソナタは箱に大量に詰め込まれているので定期的に買うのが苦手なADHDタイプに優しい。

マイスリー

前の二つと同じの非ベンゾ(でも受容体は一緒)のひとつ。これもよく処方されるイメージだが、最近は知らない。たぶん減ってる。効果は前者ふたつを凌ぐけど、奇行に繋がりやすさも凌いでる。

個人的に買えなくて処方オンリーなので手に入りづらい感じはある。


デエビゴ(レンボレキサント)

最近出たばっかりの新型。ベンゾ系列とは、そもそも作用機序が違くて、名称も非ベンゾジアゼピンとかではなくオレキシン受容体拮抗薬…というらしい。

ベンゾジアゼピン系とは全く特性が異なり、これはまったくラリらない。視界にブラーが掛かって、意識が遠のいて気が付くと寝てるっていうイメージ。数年前にデエビゴが登場して以降は、処方薬はデエビゴ中心になった。

まあ、そう聞くと優秀な睡眠薬な気がしてくるだろうが、実際はそうでもない。というか、実用性全振りなのでロマンが無い…いや、睡眠薬にロマンは無い。イメージとしては、V8気筒のMADMAX車に対するEV自動車って感じだ。

最大の欠点としては、とにもかくにも悪夢だ。睡眠薬の悪夢は、嫌悪感と苦しさが95%なので、映像的な面白さも無い。


ベンザリン(ニトラゼパム)

ガチほんちゃんのベンゾジアゼピン系睡眠薬。とにかく長く長く尾を引いて、常用していた期間は日中でも曖昧だった。全体的にベンゾって感じの仕上りだったが、個人的な体質なのか眠気もラリ度合いも筋弛緩もエスゾピクロン以下だった。


トリアゾラム(ハルシオン)

同じくベンゾ。名前がかっこいい。ほぼダークな薬物取引系のテレグラムでは、これとサイレースがサラダチキンみたいな気軽さで売られてた。前述の通り、個人的にベンゾがあんまり効かないので印象に残るほどのことは無かった。


サイレース(フルニトラゼパム)

ベンゾ系の中でも最も強力なひとつ。と、されているらしい。処方オンリーながらにして、依存性リスクがすごいので処方される患者が結構少ない。なので、入手しづらいものでもある。

これに関してはあんまり記憶が残っていない。残っていないということは、悉く抹消されているということだ。私の睡眠薬エピソードとして、一時期仲の良かった友達にこれを進められ、金曜日の晩に飲んだら、次に気が付いたのが日曜の夕方だったというのがある。後から考えると、途中でカレーを食べた瞬間が唯一断片的に思い出せるが、それ以上は一向に思い出せない。


ブロムワレリル尿素(ウット)

薬局で購入できるほぼ唯一のもの。昔からある由緒正しいやつで、まあ、色々と伝説もある。しかし、それはたぶん効果が薄くて薬局に並びやすいからという背景がある。実際、効果はほとんどわからなかった。いや、それなりの量を飲めば実感できたのかもしれないが、なんせ価格が高くて用量を守っていても飲むのを悩むくらいだ。実際問題ODが問題にならないのは経済的なハードルが高いからだろう。


ロゼレム

睡眠薬っていうより、補助薬。なんか全体的に良かったような気がするが、正直よくわからない。これも処方中心で手に入りづらい部類。


カリソプロドール(ペインオーソマ)

睡眠薬ではなく、筋弛緩薬。ベンゾ系は、いうて筋弛緩効果が最大の特徴でもあるので、弛緩=リラックス→ハナから弛緩薬でいーじゃんってことで服用。パッケージが東南アジアテイストで毒々しい。錠剤がボタン電池かってくらいデカくて、強烈にまずい。しかし、依存性・効果の強さ・短さ、奇行リスクが他の5倍くらいある。お酒や他の睡眠薬と合わせたら事故死しうる感じだったので危険。


リリカ(プレガバリン)

これも弛緩薬。これもだけど弛緩薬は、ジャンキーの中でも結構ディープな位置付けで、遊びで眠剤を常用してる人達でも敬遠しがちなもの。それでもってリリカは高いのであんまり気軽に買える感じではない。副作用として、体重増加が有名なのでそれもそれほど流行ってない理由かもしれない。

あくまでベンゾっぽい弛緩具合のペインオーソマに対して、こちらはまた違う弛緩具合である。要するに二日酔いの時に近くて、身体がひたすら重くなって動くのがおっくうになる感じだ。気分がハイになる感じも無いので、個人的な評価は低い。


おわりに

総じて、楽しくなったりリラックスできるという一見メリットっぽいところもある彼らだが、リラックス=精神的に強烈に依存 ハイになる=理性が薄まって、人間関係の破壊、火事とかのリスク、犯罪行為のリスク↑ いつでも眠れる=それがないと眠れなくなる(身体的にも精神的にも) 臓器に負担が掛かって肝硬変などのリスク などがやたら高いので、全然おすすめはできません。

依存すると経済的にもかなり負担になります。処方外で濫用する習慣が付けば毎月一万円は余裕で掛かるようになります。一度依存症になると、正規で医者に掛かってちゃんと処方してもらうこともできづらくなるので脱するのが非常に困難です。日中ぼうっとして、記憶力や認知力も低下し、統合失調症など精神疾患のリスクもほぼ不可逆的に高まります。実感してます。

デカフェのレモンティーの方がよりもっとリラックスできるしリスク無いしでおすすめです。

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